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ハナレグミ / 家族の風景

by コダ on 2006.04.10.

今日本人から聞いて知ったんだけど、僕の妹が、木曜から入院しています。
髄膜炎だそうです。

 

発見が早く、幸い大事には至らないそうなのだけど、それでも20日間ぐらいは入院しなきゃならないみたいで、きっと退屈しているだろうと思い、帰省してお見舞いへ行ってきた。

「もうちょっと、2人目のために温存すりゃ良かったのに」などと、こういう時ばかりは思う。

両親は1人目を産むときに魂を込めすぎたのか、兄である僕は年休の大半をズル休みで消化するぐらいにテキトウで頑丈なオトナに育ち、いい加減に30年が経とうとしている。しかし一方の妹はというと、どうも事あるごとに体調を壊し、正当な理由で年休を費やしてもまだ足りなかったりしている。その他のことは、僕なんかよりもずっとしっかり者だし、仕事だってずっと頑張ってやっているというのに。
「フツウに元気だから、お見舞いとかは来なくて大丈夫だよ」というメールを本人からもらった僕は、「いや、今日はたまたますんごい暇だからお見舞いに行ってあげるよ」と返して、家にあった数枚のCDをカバンに入れ、それに加えて、冨田ラボの「Shiplaunching」を購入した。

そしてついでに、前から聴いてみたかった人のCDを、自分のために購入した。
なぜ今日買おうと思ったのかは、よくわからない。

実は僕は、その人のことも、その曲のタイトルすらもよく知らなかった。でも、今日CDを手に取ってタイトルを見たときに「この曲がアレだったらいいなあ」と思った曲は、まさに僕が聴きたかった、その曲だった。

その曲は、「ハナレグミ / 家族の風景」だった。
僕は昨年5月に祖母を亡くし、ちょうど1年前のこの時期も、いま妹が入院している病院へ車を走らせていた。
この曲を聴きながら、ああそういや去年もこの道を憂鬱な気持ちで通ったなあとか、でも時間の流れが緩やかで暖かくて妙に心地良かったなあとか、とにかく色々とありすぎた春だったなあとか、今日も天気は良くてやっぱり気持ちいいなあとか、この曲とは全然関係のないことを思いながら聴いていたら、唐突に涙腺が緩んだ。

でも、泣かなかった。
僕はお兄ちゃんだから。

「これ、今日買ったばっかだからあげらんないんだけど、いい曲に違いないからとりあえずCDRに焼いてきたよ。やばいよ、これ泣きそうになる」などと言いながら、僕は妹にCDRを渡した。妹は「これはタイトルの時点で既にやばいねえ」と笑ったり、「すごい退屈なんだけど、お母さんが『とにかく安静にしてなさい』って言うんで、一応おとなしくしとくよ」とか、「去年もGWは毎日お見舞いだったけど、こりゃ今年も病院で潰れんね」とか、「でも1周忌には行きたいから早く治したいなあ」なんて、他人事のように呑気に話していた。

僕はそれを聞いて、笑ってるぐらいしかできなかった。

 

友達のようでいて 他人のように遠い
愛しい距離が ここにはいつもあるよ

何を見つめてきて 何と別れたんだろう
語ることもなく そっと笑うんだよ

どこにでもあるような、ここにしかない、僕んちの「家族の風景」。

帰りがけにまた新宿のタワレコへ行き、僕はまた同じCDを買った。

 

 

 

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Comments: 4
  1. ゆきっこ (p)

    やばいなあ。うっかり会社で読んでしまったよ。(内緒
    うるっときて泣きそうになったけど、なんとかくいとめました。
    だってお姉ちゃんだもん!(一応ね

    妹さん、早くよくなるといいね!
    今日久しぶりに弟に電話してみようと思いました。

  2. 「家族の風景」の詞はボクも本当にいいなと思うよ。
    うちでもよく「hana-uta」は流しています。
    日常で耳にする物音や話し声とかと
    ものすごく波長が近い感じがして
    本当に空気みたいな音楽だなぁと思います。

    思えばボクの家族もボクにとって
    いつも空気みたいな存在でいてくれたんだなぁと。

    どこにでもあるような、
    でも絶対に必要な、風景だね。

  3. wtnb (p)

    目頭が熱くなるなあ
    僕にも妹が一人いて、kodaくんみたいに仲いいわけじゃないけど
    たまには、話をしてみようかと思ったよ。

  4. koda (p)

    妹ですが、今日退院したみたいです。
    めざましい(めざましすぎる)回復を見せたらしく
    しばらくは自宅で安静だけどもう大丈夫みたい。
    いやあ安心した。

    ゆきっこ
    あまりに早く良くなったのでビックリです、どうもありがとう。
    会社でこんなサイト見ないほうがいいよ!
    少なくとも有益な情報が載っているようには見えな(略

    マツシタ君
    この曲はメロディも詩も本当にシンプルすぎて、
    生きてくうえで大事なことなんて実はちょっとしかないよなあ、とか
    ことばって大事だけど、大事なことばって少ししかないなあ、とか
    そういうことをすごく感じます。

    ワタさん
    昔はなんだか仲が良いことをむずがゆく思ってたけど
    いつの間にか、進んで自慢できるようになってました。
    まあアレだね、そう思えるのはトシ取ったってことですね。

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