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ミックスCDの作りかた(3) 「収録曲を決める(考えかた・始めかた)」

by コダ on 2012.05.17.

「ミックスCDの作りかた」、第3回目は「収録曲を決める(考えかた・始めかた)」です。
前回の記事はこちらです。( もくじはこちら )

いよいよ本題です

「収録曲を決める」なんていうタイトルを自分でつけておいてこんなこと言うのも何ですが、正直言って、こんなものは自分がやりたいように作ればいいのです。(いきなり)

ただこの「他の人がどんな考えかた・方法で作っているか」という制作秘話は、ミックスCDを作るのが趣味みたいになっている僕からすると、純粋に最も気になる部分だったりもします。

僕がいま参加している「Peanuts Cafe」でも、毎月交代でCDを配っているメンバーやDJをしているお客さんと「こないだ言ってたCDできた?」「あれどうやって作ったの?」みたいな話をすることがあるんですが、考えかたや悩みどころもまさに十人十色といった感じで面白いです。そしてやっぱり、いろんなことを考えたりアイディアを取り入れたりして作っている人のミックス音源は楽しいし、説得力があったり魅力的だったりします。
キラーチューンやレアなレコードをふんだんに盛り込んだからって必ずしも良いミックスCDになるとは限らないし、逆に、誰も手に取らないような100円のレコードがミックスCDに収録されることで輝きを放ち、初めて正当に評価されることもあるのです。

ということでここからは、How To的な内容からは(だいぶ)離れますが、僕の「ミックス全体に対する考えかた」と「選曲の決めかた」についてです。
あくまでも僕の考えていることを書いているだけですので「ふーん、あっそう」ぐらいの感じで読み流していただけると幸甚でございます。

以下の内容について書いています

ミックス全体に対する(僕の)考えかた

頭でっかちな「ミックス論」みたいになるのは嫌なんですけど、僕がミックスCDを作るにあたって設けているルールみたいなものがいくつかあります。

曲が主役になるように作る

こんなこと言うと偽善っぽい奴だと思われるかもしれませんが、大前提は「いい曲があるからミックスが作れる」のであって、強引にミックスしてその曲の良さを失うことだけはしないように気をつけてながら作っています。(つもり)

  • 音がきれいに混ざる「最適なポイント」でミックスする
  • ミックスすることで音が汚くなるぐらいなら混ぜない
    (前の曲が終わるまで次の曲を入れない)
  • 前後の曲と合わせるためにピッチを無理やり速めすぎたり遅めすぎたりせず、その間に数曲挟んだり、曲順を変えるなどして自然なピッチでミックスできるよう調節する

などなど。

ピッチに関しては例外もあって、「+6%で流すとかっこよく聴こえる曲(※注)」って実はけっこうあるし、あと僕はあまり思いつきませんが「33回転を45回転で流す」ことで面白くなったりする場合もあるんですけど、いずれにせよ、ミックスを考えるときには「違和感なく聴けるか」「聴きやすいか」ということを最優先で判断するようにしています。これはたぶん、今まで影響を受けたミックスにそういう傾向のものが多かったからだと思います。
(※注: 僕の感覚ですが、だいたい+5.5%ぐらいで原曲のキーが上がったような感じに聴こえます)

とは言え、フロアで聴くミックスは必ずしもそうとは限らないので、これがまたDJの難しいところではあるんですが、今回はあくまで「ミックスCD」のお話なのでこれ以上は触れません。

とにかく丁寧にミックスする

ミックスCDは何度も聴きたい・聴いてもらいたいと思って作るものなので、完成してから自分が聴いて気になるような部分がないよう注意してミックスしています。(つもり)

  • 前の曲を丁寧にフェイドアウトさせる
    (最後までブツ切りせず、場合によってはEQなども使って慎重に落とす)
  • 次の曲をフェイドインさせるときの「出だしの音量」も考える
  • ミックス中にピッチのズレが出る部分は、ズレのタイミングやパーセンテージをカンペに書いておいてフェーダーで調節する

とか。

フロアでDJするのとは違って、ミックス録音は失敗してもやり直せるしカンペも作れるので、思いつく限り細かく考えながら作っています。(カンペについては次回書きます)

しかしながら、やはり自分の腕の限界値ももちろんあるので、うおー完璧だー!とまではいかないことがほとんどなんですが、「自分が気にならないレベル」のものが完成すれば、そこまで意識して細かい部分を気にすることのない第三者が聴いたときに「聴きやすいミックス」になっているはずです。はずだろう。はずであってほしい。

ミックス全体のまとまりを考える

最初から考えているというよりは、どちらかというと「作りながら考える」といった感じですが、「CD」と言うぐらいなので、1枚のアルバム作品と同様に全体のバランスを考慮して作るようにしています。(しつこいけど、つもり)

  • 同じような曲調のものが続きすぎないようにする
  • どのあたりで雰囲気を変えるか(または変えずにいくのか)を考える
  • どこに「聴かせどころ」を持っていくかをイメージする
  • イントロやインタールード(区切りをつけるためのジングル)でメリハリをつける
  • 60分x1本のミックスではなく、30分x2本のミックスにしてみる

おそらく、ミックスCDを作っている人は皆さんそれぞれこういうことを色々と考えて作っていると思います。僕の場合、作っているうちに「無難にまとめすぎている感」が前面に出てきて、なんかこれ、もしやすげーつまんないミックスになってんじゃないの・・・と心配になったりすることが結構あります。が、まあそういう性格なので別にいいや。(唐突に投げやり)

ミックスCDの「作り始めかた」

「じゃあ作るか」となったとき、まずどんな風に最初の一歩を踏み出すのか?というのも人それぞれだと思いますが、例えばこんなパターンがあると思います。

全体のテーマをまず決める

けっこう多そうなのがこのパターン。
「夏だから爽やかな曲を」とか「ユルめの曲中心で」とか「和モノ縛りで」とか。もしくは「友達の結婚式で流す」とか「気になるアイツへのプレゼント」とか、あらかじめテーマが決まっているような場合もあるかと思います。やはり取っ掛かりとしては、誰もが入りやすい最も正攻法な考え方かも知れません。

僕も「冬だからジャズ中心でいくか」とか、なんとなーく全体テーマを考えたりすることはあるものの、ジャンル縛りにすると作ってる時点で飽きてしまうのと、作ってるうちに最初の思いとは異なる趣の曲をいろいろ入れたくなってきてしまうタイプなので、結果として「こういうテーマで作りました」って言えるようなものになりません。困ったもんです。

そんな僕ではありますが、唯一、バレンタインデーに「曲名に『Love』が入ってる曲縛り」でイベント配布用のミックスを作ったことがありまして、これは我ながらうまくまとめられたので、作るのはけっこう大変だったけど、イントロやインタールードも含めて気に入っております。

テーマ縛りの例: 「st.KSP mixed」 (タイトルに「LOVE」が入っている曲のみでミックス)

テーマ縛りの例:「st.KSP mixed

他に思いついたものとしては「曲名の1文字目がアルファベット順になってるミックス」とか、「曲名の1文字目を縦読みすると何かしらの言葉になるミックス」とか。そういうのもたまには作ってみたいんですが、どう考えても「だから何なんすか」と言われる予感しかしないので作ってません。まあアイディアのひとつとしてストックしております。

入れたい曲(ミックス)から考え始める

僕はこのパターンが最も多いです。
毎日音楽を聴いている人であれば誰しもあるはずの「最近好きな曲」から考えていく、という方法です。僕はこのサイトのコーナー「10mix」でちょくちょく数曲のミックスを考えているので、その中で気に入っているミックスを軸に考え始めたりもします。

この考えかたの良い点は、「その時に好きな曲なので季節や気分にもマッチしている場合が多い」という点、「しょっちゅう聴いているのでアイディアが出やすい」という点でしょうか。
で、そこを「聴かせどころ」にするような曲の配置を考えたり、前後に肉付けして考えていくという感じ。僕の場合、ミックスの中盤もしくは終盤にその「聴かせどころ」を配置することが多いです。俗に言う「ピーク」ってやつですね。

中盤に配置した例:「カルツのVOODOO汁」(11-13曲目)

中盤に配置した例:「カルツのVOODOO汁」(11-13曲目)
[ こちらで試聴できます ]

VOODOO汁のミックスは「J-POP縛り」でもあります。
当時「『LOVEマシーン』ってこんなにかっこいい曲だったのか~!」とひとりで興奮していた時期だったので、まずはそこから考え始めてど真ん中に配置しています。

終盤に配置した例:「浴衣・デ・KSP mixed」(21-25曲目)

終盤に配置した例:「浴衣・デ・KSP mixed」(21-25曲目)

KSPのミックスは、風味堂「楽園をめざして」と、当時思いついた24-25のミックスをピークに入れたい、というところからまず考え始めて、ミックス全体の雰囲気やBPMから終盤に配置することにしました。

最初の曲(または最後の曲)から順番に考え始める

律義に「1曲目から考える!」という方もいるかもしれません。
僕も、テーマも入れたい曲も何もかも思い浮かばないときに「とりあえず1曲目はこれで」とか「この曲をラストに」という感じで考え始めることがあります。

1曲目って、当たり前ですけど「頭の部分はミックスを考えなくてよい」唯一の場所ですよね。同様に、最後の曲なら「お尻の部分」。なので「ミックスしづらいけど好きな曲」をこういう部分に入れてみて、そこから構成していくという考えかたです。
あとは「これはいかにもオープニングっぽい曲」とか「この曲は絶対ラスト」とか、そういうイメージの曲ってわりとすぐに想像できる(と思う)ので、そういう意味でも考えやすかったりします。

1曲目から考え始めた例:「Peanuts Cafe Sampler vol.104」(2曲目)

1曲目から考え始めた例:「Peanuts Cafe Sampler vol.104」(2曲目)
[ こちらで試聴できます ]

(イントロを除くと)2曲目はピアノから始まる曲で、まあBPMが一定なヒップホップなので合わせられないことはないんですが、きれいにミックスする曲がちょっと思いつかなくてそのままになっていたので、最初にこういう暗めの曲調から始まるミックスっていうのもいいかな、というところから考え始めたものです。

みなさん、ついてきてますか

「細けえよ」「そんなめんどくせえこといちいち考えてられるか」「早く作りかた教えろ」といった絶え間ない称讃の声が聞こえてくるようで頭が割れるように痛いのですが、こういう機会でもないと自分の考えを表明できないと思い、ここぞとばかりに書いてみました。
とてもすっきりしたので、皆さんもブログを開設してみてはいかがでしょうか。(逸脱)

さて次回は、上記を踏まえて収録曲を決めていく部分についてご紹介します。
第4回目は「収録曲を決める(カンペを作る)」、の予定です。

「ミックスCDの作りかた」もくじ ]

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