2012年の音楽生活をふりかえる
なにげに毎年恒例となりつつあるこのシリーズ。
一度始めると何となく途中でやめたくなくなるタイプなので今年もやります。
昨年もあんまし新しい音楽を聴くことはありませんでしたが、それなりにはいろいろ聴けたし、「ピーナッツ・カフェ」はおかげさまで軒並み盛況だったし、なんだかんだで2012年も楽しい音楽生活でした。って毎年そんなこと言ってる気がするけど。過ぎたことはだいたい楽しかったような気がするタイプです。
まあなんにせよ去年はバレンタインデーでチョコレートをもらいすぎたり、モテすぎることが災いして左遷されたり、あまりにも辛すぎる左遷に心を病んでマックで無料のホットコーヒーを毎日単品で注文したり、とあまりにも個人的にいろいろなことがありすぎまして、インターネット上でその活躍を見た友人から「お前、最近突き抜けてる感じあるけど大丈夫なの」などとよく心配された1年でした。大丈夫です、いちおう生きてます。
というわけで、平穏な2013年を祈りつつ、2012年の音楽生活をふりかえります。
2012年コダ・アワード:大賞
Saigenji / One Voice, One Guitar
2012年はやっぱこれかなー。サイゲンジさんの新譜がとにかく最高でした。
すばらしい!
初の弾き語り作という8枚目。サイゲンジさんのことを「SSW (シンガーソングライター)」と紹介しているテキストをけっこう見かけたんですけど、1stからずっと好きだったにもかかわらず、僕は何故か今までそういう風にサイゲンジさんの音楽を聴いたことがなかったみたいで、作品を聴いて「あっそういえばシンガーソングライターだわ!っていうか思いっきりシンガーソングライターだわ!うわー気づかなかった!」と今さらながら妙にビックリしました。
「孤独であること」「自分の正しいと思う道をただ進んでゆくこと」をブレずにあっけらかんと肯定し続けるサイゲンジさんの詩が僕はたまらなく好きで、むしろそこがのめり込むきっかけになったとも言えるくらいなのに、それでも「SSW」という呼称にピンとこなかったのは、やはりサイゲンジさんの音楽そのものがオリジナリティと刺激に溢れているからなのかもしれないな、と思いました。
僕がサイゲンジさんの音楽をいかに好きかということは、以前この記事を書いた時点でほとんど説明できたつもりになっていたのですが、この作品を聴いたことでさらに、サイゲンジさんという「人」への憧れというか尊敬というか親しみというか嫉妬というか、そんなモヤモヤとした感情を抱きました。これは決して音楽だけに言えることではないけれど、「人となりが溢れ出る作品・ことば」というものには、やはり何かしらを伝える力があると僕は思っています。
風景や表情の見える作品は本当にすばらしい。
・・・と、ここまで音楽的な部分にはまったく触れていませんが、個人的なこの作品のフェイバリットは「海のそばに」「ハミングバードワルツ」「Acalanto」の3曲です。すべて以前の作品のセルフカバーなので紹介のしかたとしてはいまひとつかも知れないのはわかってるけどとにかく良いのです!「海のそばに」なんてどう考えても名曲だし「ハミングバードワルツ」の口笛は湯船に浸かりながら真似したくなるし「Acalanto」も元々好きだったけど引き語りでこの曲の魅力に気づかされたし!!とにかく、まるで2m圏内で貸切ライヴを体験しているような、息づかいすら聴こえてくるほどの音質がとにかくすごいです!!僕が聴いてわかるぐらいなので皆さんにもきっとわかります!!ぜひ聴いてみてください!!
(と、音楽的な部分には触れないまま終了)
2012年コダ・アワード:次点
こちらも傑作!
元ゆらゆら帝国・坂本慎太郎氏のソロアルバム。CDアルバムとしては2011年作だそうで、サイゲンジさんのアルバムが出てなかったら間違いなくこれがベストだったなーというほど、春~夏に毎日聴いていました。僕的には、かつて聴き続けた冨田ラボ「Shipbuilding」にベクトルが近いという印象。
ゆらゆら帝国って僕は一度も聴いたことなくて、たまたまネットでこのジャケを見かけて気になって試聴してみたのが発見するきっかけだったんですが、この不思議な色彩のジャケットと「幻」というタイトルが的確すぎるほどに表現している、決して爽やかとは言い難い「陰のある透明な音楽」。ひたすら心地いいようでいてなんとなく収まりの悪い、それでいてボケーっと何も考えずに聴ける不思議な作品です。
「幽霊の気分で」「君はそう決めた」「仮面をはずさないで」「小さいけど一人前」など、説明しにくいんだけどユラユラとしてしまう良曲揃い。近々発売される新作も超楽しみ。JETSETで7インチも予約受付中です。
その他(1):2012年はミックスCDを5枚も作った
なにげに5枚も作りました。
- Peanuts Cafe Sampler vol.104 “P.H.D.D.K.D.5″ / mixed by ダイダコダイラ
- taqrock.com presents – 10mix DIGEST 151-200
- インド人の驚くVOODOO汁のミックスCD
- Peanuts Cafe Sampler vol.112 / mixed by koda
- vikotsu for TIGHT 8th (2012) / mixed by koda
すべてがんばって作ってるので基本的にはどれもオススメできるんですが、個人的にはやっぱ2年ぶりに開催されたブードゥーのやつかなー。Jポップに対するみんなの(無駄な)期待がハンパないので、眠い目をこすりながらがんばりました。個人的には、神崎まき「わたしがイチバン!!」を1番と2番に分けてミックスして結局何番だかわからない感じにしたのがノーベル賞ものの発明だなーと思ったんですけどあんまり褒めてくれる人がいませんでした。
その他、対外的には、ピーナッツのvol.104がけっこういろんな人に気に入っていただけたようでうれしかったです。今年もゴキゲンなやつを作れるようがんばります。
その他(2):今年はなんか新しいことをやりたい
実は、おそらく誰もやったことのないコンセプト(っていうかものすごく反則技)のミックスCDを去年思いつきまして、できれば今年作りたいなあと思っているんですけど、それとは別に、今年は、今年こそは、ト、トラックみたいなやつとかを作ってみたい…(小声)
作ったそれをどうするとか云々はともかくとしても、僕は人前でDJやってイエーみたいなのをやるよりもひとりで悶々となんか作ってるのが性に合っている(と思う)ので、子どももいくぶん手がかからなくなって自分の時間も増えてきた今こそ、トラックの作りかたなどをちゃんと調べてちゃんとやってみたいなーという気持ちが出てきました。コードとかは一切わからないけど鼻歌なら得意なのでなんとかなると思う。(ならない可能性も高い)
と、言わないとやらないので言ってみました。やらないかもしれないけど。
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